こんにちわ。ハチドリちゃんです。
タイトルが嫌味ったらしく、小林製薬の皆様、ごめんなさい。謝るくらいだったら書くなという感じですが、私、怒っています。
小林製薬のネーミングセンスは、大変面白いと思うのです。
定番の「ブルーレットおくだけ」「熱さまシート」「なめらかかと」どれもネーミングは秀逸ですし、愛用されている方も多いのではないでしょうか。
こちらの記事で、小林製薬の製品、”シイタゲン”の広告の狡猾さについて紹介しました。
「がん」という言葉を検索しなければ、この広告は検索結果に出現しません。
この広告の悪質さは、過大広告を避けるために「がんが治る」といった謳い文句を入れない代わりに、「がん ばる人へ届けたい」と、
あえて、”がんばる”と平仮名にし、”がん(空欄)ばる”と表記、つまり、”がん”と”ばる”の間にスペースを開けることで、
”がん”というキーワードを軸に、広告を出稿している点にあります。
表記のスクリーンショット↓
また、がん治療の経験がない方や、ご家族にがん治療を受けた人がいなければ、分かりづらいものかもしれませんが、「苦しんでいる人のみ一目で分かる」写真付きです。
横に「あきらめない」という言葉とともに、どう見ても抗がん剤を投与中の患者さんが、医療用帽子を被って微笑んでいるようにしか見えません。
小林製薬の倫理的な姿についてだけではなく、医療デマはネット上の至る所に転がっているので、
【問題はウェルクだけではない】医療知識ゼロのその辺にいる元がん患者が伝えたい「ネット上の医療デマ」の話 の記事を、永江一石さんに送ったところ、
@Isseki3
— ハチドリちゃん (@HachidoriTweet) 2016年12月5日
悪質な企業や広告がネット上の至る所にあり、がん患者だけの問題ではないと、本当に日本の将来を懸念しています。お時間許す限り読んでくださると嬉しいです。https://t.co/jXXv0gN4QQ
東京都福祉保健局に、問い合わせを行うようアドバイスをいただきました。
東京都の
— Isseki Nagae (@Isseki3) 2016年12月5日
東京都福祉保健局健康安全部
(薬事監視担当)
《電話》03-5320-4539 都庁内線 34-430
に電話して訴えると良い https://t.co/AIvxEggCwy
早速、東京都福祉保健局に電話をしたところ、
担当者の方からメールアドレスを頂き、
悪質な代替治療や民間治療を行う企業を主に、また小林製薬の広告の悪質さも併せて「通報」しました。
一人の会社員としても、また小林製薬の商品を日頃から愛用している者としても、納得がいかないので、
小林製薬のカスタマーサービスに電話で問い合わせてみることにしました。
※以下は、電話内容のまとめです。
私:「こんにちわ。シイタゲンについてお聞きしたいのですが。」
大変丁寧な口調の、カスタマーサービスの方が電話に出てくれました。
相談員さん①:「大変申し訳ありませんが、シイタゲンにつきましては、
小林製薬通信販売部で取り扱っております。
電話番号を今からお伝えしますので、大変恐縮ではございますが、こちらの電話番号にかけて頂いてもよろしいでしょうか。」
というわけで、和やかに電話を終え、伝えてくださった電話番号に再度電話をしました。
私:「すみません。シイタゲンについてお聞きしたいのですが。」
相談員さん②:「はい。承っております。どのようなご相談内容でしょうか?」
一度電話を切っているにも関わらず、「既に承っている」と仰ることが出来るのが、素晴らしいカスタマーサービスです。
私:「シイタゲンはがんに効くのでしょうか。」
相談員さん②:「シイタゲンは医薬品ではなく、健康食品となっておりまして、
シイタゲンの成分ががん細胞を攻撃するものではなく、
NK細胞と言われる細胞*1の活性を高めることで、お体の免疫力を高める効用をもたらすものでございます。
抗がん剤投与中の方が、併用して副作用を目的とする、がんの再発を予防することを目的にご利用されたりする方がいらっしゃいます。」
私:「なるほど。学会でも発表されていますね。」
相談員さん②「シイタゲンが、"特定のがんに働く"ということではなく、
抗がん剤を投与されている患者さんに併用してご使用いただき、
抗がん剤の副作用が軽減された、体力の回復が見込めたという結果も出ております。」
私:「なるほど。折角、色々なことをご説明して頂いたのに申し訳ないのですが、
御社のシイタゲンの広告と、御社の倫理的な姿勢に非常に懸念を持っています。」
私:「『がん ばる人へ届けたい』と、あえて、”がんばる”と平仮名にし、”がん”と”ばる”の間にスペースを開けることで、
”がん”というキーワードを軸に、広告を出稿されている点と、
どうみても広告の写真の女性が化学療法中で、医療用帽子をかぶって微笑んでいるようにしか見えず、御社の倫理的な姿勢を疑いたくなるようなものです。」
私:「小林製薬さんの商品は、私は子どもの時から使っていますし、
日本を代表する製薬会社として、この広告の出稿の仕方は、非常に良くないと思うのです。」
相談員さん②:「ご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません。
現在私は、その広告自体を確認することができないため、すぐご回答を差し上げることは出来ないのですが、
お客様のお声を上の者に申し伝え検討させて頂きたいと存じます。」
相談員さん②:「シイタゲンの効用につきましては、詳細を、インターネット上の『小林製薬の癌免疫研究』でも紹介しております。」
私はこのタイミングで、詳細はネット上のページを確認してくださいといった回答を得たことに少々納得ができず、再度懸念していることを訴えました。
私:「◯◯さんが、今すぐご回答されることができないということは、理解しているのですが、今後御社はどのような対応をされるか、また、広告についてどのように対処をされるのかということに対してお聞きしたいのです。」
相談員さん②:「私がこのようなご相談を受けるのは初めてなのですが、紛らわしい・分かりにくいと承けたまわった相談員もおります。
お客様が、ご安心し、ご納得してご利用いただけることを目的として、本件は上司に申し伝え、検討を続けさせて頂きたいと存じます。」
私:「わかりました。よろしくお願いします。」
相談員さん②:「お客様、お電話誠にありがとうございました。どうぞお身体にお気をつけてお過ごしくださいませ。」
私:「ありがとうございました。」
ここで、一度電話を切りました。
小林製薬の癌(がん)免疫研究のサイトを今一度読んでみました。
う〜ん、分かりにくいです。研究結果の詳細というところをクリックしても、いまいちよく分かりません。
研究に関することを質問するため、再度、電話することにしました。
詳細をクリックしても・・・↓
小林製薬の説明(まとめ)に飛ぶのみ・・・↓
私:「『例えば、抗癌剤にシイタケ菌糸体を併用すると、免疫力の値(NK活性、 LAK活性)とQOL(生活の質)が改善・高まった』という結果が、AJCM(The American Journal of Chinese Medicine)に掲載されているということですが、小林製薬で検索しても、見つからないのです。」
相談員さん③「これは、小林製薬の研究結果が掲載されているわけではなく、小林製薬がジャーナルより引用しているものとなります。」
私:「あら〜そうなんですね。わかりました。では、”シイタケ菌糸体”を英語表記で教えていただけますでしょうか。」
しばらく待ちましたが、英語表記を教えてもらえました。
相談員さん③「”extra of lentinula edodes mycelia”となります。」
私:「わかりました。ありがとうございました。」
早速、”Extra of lentinula edodes mycelia”を Google 検索をすると、一つの記事が出てきたので要約しますと、
「1人の胃がん患者と7人の直腸がん患者を対象に、化学療法中に、”シイタケ菌糸体”の投与を行ったところ、副作用の発生率を低下させることを示唆したとのことです。」
正直・・・”シイタケ菌糸体”のネット上の情報が少なすぎる。
小林製薬の問題点のまとめ
①悪質な広告出稿
企業ですのでお金の問題が関わってくると、倫理的な問題と対立することがある というのは、理解しているながらも、
科学的根拠がない健康食品を、
必死ながん患者に対して広告を出稿しているのは、倫理観がなさすぎます。
健康増進法・医薬品医療機器等法(旧薬事法)に違反しています。
②小林製薬独自の研究と勘違いしやすい内容
小林製薬が”シイタケ菌糸体”の効用を、ジャーナルより引用してシイタゲンの効用を説いているのですが
そもそも、シイタゲンを使用して、臨床実験をしないと効き目わからないじゃないですか?
科学的根拠がない健康食品を、必死ながん患者を対象に
広告を出稿しているのは、倫理観がなさすぎます。
※科学的根拠がないと断言しましたが、それを証拠に、小林製薬自体も
あくまでもただの健康食品だよと「栄養補助食品」としっかりパッケージに印刷しています。
※電話でも、
相談員さん②「シイタゲンが、"特定のがんに働く"ということではなく、
抗がん剤を投与されている患者さんに併用してご使用いただき、
抗がん剤の副作用が軽減された、体力の回復が見込めたという結果も出ております。」
とご説明して頂いているので、シイタゲンの研究結果かと勘違いしてしまいました。
②引用元を記載しているが、そのジャーナルのリンクを明記するべき。
③もう既に、「勘違いしやすい」といった報告を過去に受けているにも関わらず、”お客様”の意向を無視
12/15追記:「製薬会社」と書いたものの、この会社本当に「製薬会社」なのでしょうか?
「あったらいいなをかたちにする」とありますが、この自称:”製薬会社”は
「別にあってもなくても良いものを、売上のためにかたちにしていない?」
例えば、こちら:ぶり返す肛門のかゆみ・痛みに|オシリア|小林製薬
という「おしり専門の薬」を、これまたキャッチーなネーミングで売り出しています。
この動画は、アメリカの『サタデー・ナイト・ライブ』というコメディ番組の、
「ジーンズからはみ出る、おしりは太陽や風にさらされてタイヘン!乾燥しちゃってます!そんなあなたのおしりを守るために、おしり専用クリームの紹介」
という思い切り、ギャグのパロディCMなのですが、
このパロディCMに馬鹿さとほぼ変わらないようなことが、
日本で現実に起きているという悲しい事実・・。
「カスタマーサービス一流」の相談員さん達、
こんな倫理観がない企業で働いていること、プライド許せなくないですか?
2/15追記
小林製薬の社長の小林章浩さんのインスタグラムの写真に
この広告は、企業倫理としていかがなものでしょうか?とコメントしてみました。
→結果:無視!!
小林”製薬”さんの今後の対応を期待しております。
オススメ!の記事
*1:NK細胞については、こちらの記事でも述べています。【問題はウェルクだけではない】医療知識ゼロのその辺にいる元がん患者が伝えたい「ネット上の医療デマ」の話
*2:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22126542