放射性核種の中で,トリチウムは最も危険性が少ない。 内部被曝による致死例は2例。いずれも夜光塗料産業の従事者。
当時のICRPの安全基準の最大許容量の10倍で健康被害が発生(100倍が妥当)
基準をより厳しく改訂
「原理的には」処理のいろいろな選択肢があるが,多くは現実的ではない。
トリチウム水タスクフォース報告書(2016年6月)
同原発の敷地には処理水約107万トンをためたタンク約880基が建ち並び、「敷地内のタンク増設には限界がある」と処分の必要性を強調。タンク撤去後の跡地は、1~3号機の溶融燃料(燃料デブリ)取り出しの作業エリアや、使用済み核燃料約1万体の保管場所などに活用するとした。処理水の処分は、海への放出や蒸発、電気分解など五つ検討していることも説明する。 (毎日新聞2018年7月13日)
2016年4月に「希釈して海洋放出」することがベストだという報告書。 ただし,経産省には処理方法の決定権はない。
決定する立場。川村新会長就任時(2017年7月12日)の発言で
「もう判断をしているんですよ。(原子力規制委員会の田中俊一)委員長と同じ意見です」 (東洋経済,河北新報)
川村発言に反発。 平成29年7月19日の 原子力規制委員会記者会見録
田中委員長:先日、川村会長と社長と面談したときに申し上げたのは、やはり地元とき ちっと向き合ってほしいということを申し上げました。今回の報道ベースで見ています と、トリチウム水を放出するのは私と同じ考えだという言い方をされているふうに見え るのです。今までは、経産省が決めないとか、国が決めたのに従うとか、誰かのせい、 私のせい、私を口実にするとか、それは私どもが求めていた向き合う姿勢とは全然違う のです。当然、いろいろな反発があるだろうし、いろいろな問題がありますよ。だから こそ会長とか社長がきちっと向き合わないと、この問題は解決しませんよということを 申し上げた。そのことがわからないですね。というのが私の感想ですね。
(続き) では、水をい つまでもため続けられるかどうかということも含めてね。ため続けるのでしたら、どう ぞため続けてくださいと。タンクにも寿命もあるし、敷地にも限界があるし。先日の会 見でもそのことは申し上げたと思うのですけれども、そういうことがわからないという ことは、結局は、口先で福島が東京電力の原点ですと言うけれども、全然そうなってい ないなというのが私の感想ですね。
2018年4月 福島県沖で漁獲されたキツネメバル,シロメバル,スズキについて、国から出荷制限解除
6月から漁を再開
原発敷地内に保管されている放射性トリチウムを含む処理水の処分方法を巡り、国が公聴会開催を計画しているが、野崎会長は「海洋放出には反対。これまで積み上げてきた試験操業が、ちゃぶ台返しのような(台無しの)状況になる」とクギを刺した。 (毎日新聞2018年5月24日 地方版)
地域活動家・ライター。関心領域はローカル、食、批評、アート、メディア、震災と原発事故など。『新復興論』(ゲンロン叢書)が9月1日に刊行予定。